親が亡くなったときに自分を癒す方法
Helping Yourself Heal When a Parent Dies (by Alan D. Wolfelt, Ph.D.)
「親が亡くなったときに自分を癒す方法」を、一部省略して訳しました。
訳しているうちに、不思議と癒されてきました。
意味をよく咀嚼したからかもしれません。
お父様、またはお母様を亡くされて、このブログに来てくださった方へ。
2009年1月に母が亡くなったので、お気持ち、よくわかります。
私も、まだまだ葛藤の日々です。
最近泣いてなかったのに、今日はコップ1杯くらいの涙が出ました。
私は、死別の悲しみは「乗り越える」ものとは思っていません。
乗り越えるというより、消えることのない悲しみと共にどう生きていくか、
どうつきあっていくかを、少しずつ学んでいくのではないか・・・
そんな気がします。
みなさまに、少しでも、ほっとする時間がありますように。
追記:お読みいただき、ありがとうございます。
このブログは、現在更新をお休みしております。
お返事は必ずさせていただきますが、お時間がかかりますことを
どうかご了承ください。
よろしくお願いいたします。
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お父さん、お母さんが亡くなってしまったんだね。
親との関係が、よかったとしても、悪かったとしても、
親への想いはとても強かったんじゃないかな。
基本的には、ほとんどの人が親を深く愛している。
親も、世界で一番、無条件の愛を与えてくれる。
かけがえのない人を失って、悲しくてしょうがないよね。
亡くなった人への思いや感情をさらけ出すのが、死を悼むということ。
あえてさらけ出すことが、悲しみを癒すのに必要なんだ。
あなたの悲しみは、あなただけのもの
死別の悲しみは、ひとりひとり違う。みんなが同じ方法で悲しむわけじゃない。
親との関係、どんなお別れだったか、精神的にどんな支えがあるか、
文化、宗教の違いによって、悲しみの体験は異なってくる。
だから、自分自身のやり方で悲しんでいい。他の人と比べないでね。
どれくらいの期間が過ぎたら、悲しむのはもう終わり、
なんて考えに左右されなくていいよ。
一日、一日、自分のペースでのんびりいこう。
いろんな感情が押し寄せる
親子の絆は、人間が持つなかで、一番根本的なものなんじゃないかな。
お母さん、お父さんが亡くなったことで、その絆が引き裂かれてしまった。
そして、さまざまな強い気持ちの揺れを体験する。
まひしたような感じ、混乱、恐怖、罪悪感、安ど感、怒り・・・
こういった感情は、ほんの一部。
短い間に次から次へと押し寄せたり、一度に感じるかもしれない。
親と死別したときに感じる気持ちは、人によって違うけれど、
共通してよく聞かれる感情を説明すると・・・
悲しみ
親が亡くなったら悲しいって、わかってはいたと思うけれど、
こんなに悲しくなるなんて、想像してなかったかもしれないね。
でも、これだけ深く悲しむのは、自然なことなんだ。
だって、無条件で、他の誰よりもあなたのことを心配してくれた人が、
いなくなってしまったんだから。
もし今回、両親の最後のひとりが亡くなってしまったのなら、特に悲しいと思う。
「大人の孤児」になるのは、とても痛みを伴う、人生の転換だから。
あなたに子供がいたら、おじいちゃん、おばあちゃんを亡くしたことになるから、
それを思うと、また悲しいよね。
たくさん悲しんで、自分の心の痛みを受け入れよう。
安ど感
もし親が亡くなる前に、しばらく闘病していたら、お父さん、お母さんが亡くなって、
あなたはほっとしているかもしれない。親の看病をしてきたなら、この想いは強いかもしれない。だからといって、お父さん、お母さんを愛してなかったわけじゃないよ。
親の苦痛が終わって、ほっとするのは、愛しているからこそ。自然なことだよ。
怒り
機能不全家族や、虐待のあった家庭に育った場合、解消できなかった怒りが、
亡くなった親に向くかもしれない。
つらい感情が、親の死によって、表面に浮上してくるかもしれない。
愛情のある関係だった場合は、親がまだ若いのに、永遠の別れが訪れたことに怒りを感じるかも知れない。
もし怒りを感じるなら、怒りの原因を分析して、受け入れるようにしてほしい。
罪悪感
親との関係に問題を抱えていたり、距離があったり、複雑な感情を持っていた場合は、親が亡くなったときに罪悪感を感じるかもしれない。
こう言おうと思っていたのに、言えなかったとか、あんな傷つけるようなことを言わなければよかったとか。
死別が家族全体に与える影響
親が亡くなったことがどう影響するかは、あなたと、兄弟・姉妹、それぞれ違うんじゃないかな。だって、ひとりひとり、親との関係が違うから。それぞれが自分のやり方で、親との別れを悲しんでいいと思う。
親が亡くなったことで、もしかしたら、兄弟の間で衝突するかもしれない。葬儀のやり方で意見が分かれたり、金銭的なことで揉めたり。嫌になるかもしれないけれど、これも自然なこと。ストレスが多いこの時期、家族でお互いよく話し合うようにしよう。
嫌なことばかりじゃなく、親が亡くなったことで、兄弟の絆を強く感じるかもしれない。
ありがたいね。
それから、ひとり遺されたお父さん、お母さんのことを考えてみよう。
長年連れ添った奥さん、旦那さんを亡くすということは、子どもが受ける衝撃とは、また違う。だからといって、あなたは親に対して責任がある、と言いたいわけじゃない。
まずは、あなた自身を癒すこと、自分の悲しみに向き合うことが、なによりも大事。
そのうえで、親よりも若くて、回復力もあるあなたなら、忍耐と思いやりの気持ちを持って、親に接していけるんじゃないかな。
人に助けを求めよう
つらいとき、自分を思いやるつもりなら、人に助けを求めることが一番。
親を失うということは、これまでの人生で一番つらい仕事じゃないかな。
亡くなった親が高齢だった場合、人はあなたの悲しみを理解してくれないかもしれない。年を重ねることを軽視しがちな文化だから。お年寄りは知恵、経験、愛を与えてくれる存在というより、もう役目を終えた人たち、という見方をするのかもしれない。
あなたの悲しみを認め、話をそのまま聴いてくれる人を探そう。
人生に再び生きる価値が見えてくるよ。
体と心の限界を許そう
死別の悲しみを体験すると、疲れきったように感じると思う。思考力が落ちたり、物事を決められなくなったり。エネルギーが低くなることで、自然とペースをゆっくり落とすようになる。体と心の声を聴くようにしよう。自分自身をいたわってあげよう。しっかり休もう。バランスの取れた食事をしよう。スケジュールを、できるだけ軽くしよう。
悲しみは、(薬のように)「投与」するものと考えてみよう。毎日、一日中無理して死別のことを考えなくてもいいんだよ。自分を癒すために、悲しむことは必要。
でも、生きていくことも必要なんだ。
意味を求める
「どうして、今、お母さんが死なないといけなかったの?」
「亡くなると、どうなるんだろう?」
思い出を大切にする
親はもう、この世には存在しないけれど、心の中、思い出の中に生き続けている。
思い出の写真や形見を入れるのもいい。
悲しみと癒しに向かって
もう一度思いっきり生きて、愛するために、親の死を悲しまなくてはいけない。悲しみを隠さずに出すことで、初めて自分を癒すことができる。悲しい感情を否定すると、余計にややこしくなって、重くなってしまう。
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