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2009年5月

Is the glass half-empty or half-full?

Hydrangea2

元気を取り戻そうとじたばたしているうちに、
気がつけば、明日から、もう6月なんですね。

今年も残り、あと7か月「しかない」と考えるか、
あと7か月「もある」と考えるか。

コップに残った半分の水を見て、もう半分しかないか(half-empty)、
それとも、まだ半分もあるのか(half-full)。
同じ状況でも、どう思うかは、本人次第。
どうせなら、楽観的に考えたほうが、いいような気がします。
(It's better to see the glass half-full instead of half-empty.)

今は、どうしても悲観的になることもありますが、
もともとは、楽観的でいるように、心がけてきました。

「まだ6月」と考えて、お正月に書いた
今年の抱負を見直してみました。
新年の抱負は、そのまま1年据え置く必要もないな、と。

こうして振り返るのも、けっこう勇気がいるものです。
母が亡くなる頃を思い出すので、つらくなります。
そんなこと、わざわざしなくてもいいのに。(もう遅い)

抱負を書いていた当時が、なんだかとても昔に感じられます。
間違いなく自分なのに、別人のようです。
見直して気づいたのは、人生観が変わったんだな、ということ。
続きは、次のエントリーで・・・。
                  
                    

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I love reading cookbooks

これは、2008年12月4日に書いた記事です。
お蔵入りになりそうだったので、忘れないうちにアップします。

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先日家族でパスタを食べに行ったとき、「アマトリチャーナ」がとてもおいしくて、
家でも作ってみたい!という衝動にかられました。
ネットでレシピを検索しているうちに、
パスタがいろいろ作れるようになりたいと思い始め・・・。

ビジュアル的にも楽しめる料理本を求めて、翌日書店へ。
20冊近くの中から吟味して、選んだのは、
一見地味な、でも中身は充実の、


主な内容は、
こちらのサイトでスクロールすると、見ることができます。
アマゾンの和書カテゴリーで「パスタ」で検索すると、
378件中、20位となかなか検討。 (2009年5月30日現在)

この本の何がよいかというと・・・

□写真が「おいしそう!作ってみたい!」と思わせる。
 メニューを眺めているときのような、幸せな気分を味わえる。
 (これが、私が料理本好きな理由)

□手順がシンプル。手順ごとの写真で、イメージしやすい。

□レイアウトがすっきり。写真と文字のバランスがちょうどいい。
 文字も大きく読みやすい+文章も短めで、わかりやすい。

□複数の有名シェフのレシピが載っているので、お得感がある。
 インタビューも、おもしろい。
 (「パスタは、基本を押さえれば応用がきく味噌汁と同じ」など)

□メニュー数が50以上と豊富なのにもかかわらず、価格は840円。

改めて思ったのが、料理は、とてもリターンが大きい技術だということ。

自分でおいしいものを作り、食べることができる。
家族や友人にも、喜んでもらえる。
食材や調理法に気を配れば、健康の維持や病気の予防になる。
家でご飯を作れば、時間とお金の節約になり、
塩分控え目など、好みや健康を考えた味にカスタマイズできる。

そして、一度その技術を身につければ、ほぼ一生、リターンを享受することができる。

スキルというと、仕事に必要な技術や資格のことを考えていましたが、
生きている限り食べるので、料理ほど役に立つスキルはなさそうです。

おいしいものを食べることは、なにより楽しい。
人も自分も、幸せな気分にします。
それを自分の手で作り出せるというのは、すごいことですね。
(何年後かの私は、「あー、今日の夕ご飯、なんにしよー。
カレーでいっか!」と言ってるかもしれないけれど)

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この数日後、アマトリチャーナを作ってみました。
お店の味は再現できませんでしたが、母はおいしいと言ってくれました。
この記事も、料理が上手な母のことを想って、書いたものです。

上では、「何年後かの私は・・・」と言っていますが、
現在、すでに献立作りに頭を悩ませる毎日です。
ちなみに、今日の夕ごはんは・・・

*えび・アボカド・クリームチーズのサラダ
*大根と豚肉の煮物(母に教わった)
*わかめとしめじのお味噌汁
*なすのピリ辛炒め煮(父方の祖母→母に教わった)

和洋ミックス、メインがはっきりしない、インパクトの薄いメニュー(汗)。
明日は、もつ煮込みです。それだけ決まって、後は思い浮かびません・・・。
                  

                              
               

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Dr. Andrew Weil on Health and Beauty

Hydrangea

昨日、
丸の内キャリア塾セミナー(日本経済新聞主催、オリジンズ協賛)
「直感ビューティ!~美しさの種(シーズ)を目覚めさせる~」に行ってきました。
ピースオブマインドの(?)、よい香りが立ち込める会場。
アンドルー・ワイル・フォー・オリジンズかも)

まずは、統合医療(Integrative Medicine)を提唱するアンドルー・ワイル博士の講演から。

今回は英語の講演なので(逐次通訳あり)、英語のメモを起こしただけです。
読みにくいかもしれません。ごめんなさい、ご了承くださいね。


Aging naturally-日本の働く女性たちへ

complexity of plants
plant chemicals work in more natural way than chemical drugs

about myself:
botanical background, childhood, loved plants, degree-> medical school
many different cultures and countries--Japan at 17 years old, visited 60(?) times
Shamanism

Integrative Medicine
--based on the idea that human body heals itself, natural power
life styles, choices we make-> health

US--medical system collapsed, need to change medicine first->
and then health care reform
same in Japan--due to economic costs

US--last 20 yrs, women--main players, leaders, buyers of books on health
women are open to new ideas, influence husbands and children--eat better

on Saturday, visited Ise Jungu
Mie--Mie Univ.--Integrative Medicine, collaborates with Suzuka Univ. and Arizona Univ.
美し国 Umashi Kuni--delicious and beautiful

beauty
*reflection of health,
  e.g.) birds--have good genes, well-nourished
*relationship with yrself, love yourself + be healthy
developing health-> beauty follows, beauty not as a goal

hadn't thought about beauty until I started working with Origins

my book "Healthy Aging"
<-> anti-aging--wrong concept
aging is a natural process, natural low of universe

Okinawa
*foods, unique diet
*maintain physical activities throughout life
community activity, old people are living values
<-> USA--isolated, nursing homes


positive aspects of aging
*gain wisdom as we get older, not automatic, though
*get a balance
*brain--some functions increase
focus on remaining healthy
you don't have to worry about aging, losing attractiveness

トークショー×生駒芳子さん

not watching TV so much, "TV fast"
find inner peace and balance, beautiful and terrible

Living in US--when I grew up, felt not part in my culture
Japan--my past life?

President Obama--a new American, half white, unique background, different kind of person
I'm happy, so far, he's doing over right things

My mother--passed away several yrs ago at 93
visited Okinawa at 89 yrs old
laugh a lot, sense of humor, beautiful--ask interpreter Takaoka-san, she met my mother

specific tactics

proper diet, not going on a diet, eating right,
fast food, refined and manufactured food--not good

I grow Japanese vegetables in my garden
dishes--Mediterranean + Japanese
Japan--advantage, quality vegetables

before--we used to have meals twice a day with family, cooked from scratch,
eat together
-> changed today

suggestion: 1 dish, very simple, fast and easy to cook from fresh ingredients
cooking doesn't take so much time
vegetables--plants are powerful, much stronger <-> image--weak

intuition

to shine from within
diagnose my clients--based on intuition
intuition--learning from within, inner teaching
many people don't listen to intuition, need to learn to trust intuition

be quiet--intuition is a "still, small voice"
pay attention to how you feel, sit down, deep breathing

*have 1 corner/space at home--a favorite item, comfy chair, sofa...
*in nature--e.g.) Meiji Jingu, a place with lots of trees in central Tokyo


Meiji_jingu_5

intuition and beauty come from within
intuition bubbles up from unconscious
be open to unconscious, try to remember dreams
you meet with a person and you feel comfortable--unconscious, intuition tells you

education
what I teach--listen to intuition <-> medical school--objective

healthy aging

Aging is like a failure?

No.  aging is something that we can't change, something gets better
Why are old trees so powerful?
Japan- women fresh as fish <-> Europe, US, wine, gets better as it gets older

people are so obsessed with anti-aging more than ever

do physical activities, such as walking--our bodies are made to move

develop methods to protect our bodies and minds from stress
stress-> hormones-> toxic
*yoga
*breathing, meditation
*music

key--spend more time with those who have good habits, much easier than do on your own,
we reinforce each other

tips to balance
 
email, cell phones, PC--try to set limits, "fast" on these
this is really challenging today, my Arizona home--no cell phone service

future plan

I would like to...
be reborn as a tree (laugh)
change health care--it's evitable, has to be changed, health care system is not sustainable
learn to live with greater harmony with nature

stress

there's no stress-free life, it doesn't happen
a female Dr. realized her dream to work in Kenya
95 % of the patients, esp. women--stress-related diseases such as ulcers, headaches, "katakori" (laugh)
yoga etc.--neutralize stress

message

you should demand health care system and medicine that you should have
you have power as consumers

no complete culture in terms of health care
e.g.) Latin America--using plants-good, but economically not good
Denmark, Norway--good health care system

I have a bowl of "macha" for breakfast
morning--best for writing, answering emails
turn off PC when work is done

**********************************


セミナー・トークショーで、オリジンズに触れたのは、さらっと1回だけ。
余裕のようなものを感じさせます。
サンプルをいただき、ありがとうございました。
(私の場合、まずは、パッチテストです。
植物性は、作用が強い場合もあると聞いたことがあるので・・・)

美しさは健康の反映。健康な体を保つことで、美しさは自然と後からついてくる、
という博士の持論は、説得力があります。

ワイル博士のサイトには、たくさんQ&Aが載っていて、とても勉強になります。
乳がんbreast cancerの項目を読んだら、知らなかった情報がけっこうありました。
母からのメッセージと受け止めて、試していこうと思います。

食物ピラミッドを見ましたが、我が家はもともと、こんな感じです。
博士おすすめの「まいたけ」を、今日も食べました。
今度は博士のように、朝食に「抹茶」をたててみるかも??
                               

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Titanic, again

Rose0523095 

ジョージア・オキーフの絵を思い出しました。
見事な「巻き」に、うっとり。

昨年、
A Rose Named Titanicという記事で紹介した、
タイタニックという名前のバラ。


前回に比べて、かなり近寄って撮ってみました。
お花は寄りすぎるくらいのほうが、
生命力や気配が感じられていいのかも、と発見。

Rose0523093 

いかがでしょうか?

ちょっと下から、にじり寄る感じで・・・。

Rose0523092 

寄りすぎ??

Rose0523091 

波打つ花びら。
静謐さ、伝わりますか?

母の部屋は、お花でかわいらしくしてあげたいです。会いたいな・・・。
                    

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defense mechanism

Ferry_building

世の中には本当にいろんな人がいて、
関わる人すべてを選ぶことは不可能です。
もし、親しくもない人から理不尽な態度をとられたり、
憤りを感じたとき、どう対処していますか?

アメリカで大学の寮に住んでいたとき、
隣の部屋の2人(白人)に、人種差別的な嫌がらせを受けました。
夜中にいたずら電話をかけてきたり、日本語をからかわれたり、
しつこかったです。

そこで、ゼミの教授(歴史学)に相談してみました。

メキシコからの移民でもある彼女も、
アメリカ東部の裕福な生徒が集まる高校に通っていたときに、
人種差別を受けたそうです。
そのなかで思ったこととは・・・

「差別をする、その人個人に怒りを感じたりするのではなく、
世の中を、そういう人たちが生きにくいものにしていけばいい。
これは私が作り出した、自分を守るための、defense mechanisim
(防御機構)」

点に執着しない、目線が違う、俯瞰している。
長い目で見れば、いいんだ。
さすが、「歴史」の教授。
(でも、当時、高校生。すごいなぁ)

教授の話に納得し、視点を変えました。
強気に出てみたら、隣のアメリカ人、すぐにおとなしくなりました。

このときから、人種差別に限らず、嫌な人に遭遇した場合、
「この人が生きにくい世の中にするには、どうすればいいか?」
「こういう人が生み出された背景は?」
ということを考えるようになりました。

自分の気持ちが、相手に支配されなくなります。
無駄なエネルギーを消費しないですみます。
それに、建設的です。

こういう小さなことの積み重ねで、意識や行動が少しずつ変わり、
仕組みが変わっていくと、理不尽な行動が許されなくなり、
ゆくゆくは世の中が変わっていく・・・。
歴史はこうして作られていくのでしょうね。
                         

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天豆

Beans

近所のおじいさんがやっている畑で収穫された、そら豆。
散歩の途中で、「天豆」と書かれているのを見て、
「てんまめ?」と、思わず立ち止まりました。

形は少しいびつだけれど、
朝の採れたてで、まだみずみずしい。
新鮮なので、ゆでても黒いすじが出ませんでした。

さやが空に向かってつくため空豆、
さやの形が蚕に似ていることから蚕豆とも書く、そら豆
蚕から虫を取って、天豆とも書くんですね。

そら豆を料理するのは、初めて。
さやから豆を出すときは、ふきんを絞るように軽くねじると
取り出しやすいのか・・・ふーん、なるほど。

父はそら豆が好き。
母がよくやっていたように、塩ゆでしてみました。
ビールのおつまみになったみたい。

それから、
そら豆ごはんも。

Soramame

おいしかった、そら豆づくし。
今が旬ですよね。

といっても、この記事を書いたのは2週間くらい前なので、
そら豆の旬は、もう終わりそう。
あっという間に、春を通り越して、夏になりそう。
こうして、どんどん季節が移り変わっていくんですね・・・。

                     

                  


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大切な人とお別れする前に読む本3

あらかじめ申し上げますが、紹介する本のタイトルがダイレクトすぎて、
びっくりされるかもしれません・・・。

誰もが知りたい 上手な死に方、死なせ方


誰もが知りたい 上手な死に方、死なせ方


終末期の患者をどう支えるか、患者の気持ちの変化、
後悔を残さないためのコミュニケーション、
闘病、看病で疲れた心身の癒し、などについて書かれています。
家族を看取ることについての、さまざまな内容が、
この1冊に凝縮されています。

著者は、「はじめに」で、このように語っています。

「私の母はがんの転移による長患いで亡くなりましたが、
当時の私に今の知識や心構えがあったら、
長かった終末期を、よりやすらかで満ち足りたものに
してあげられたのは確かです」

これは、私自身の気持ちでもあります。
「この本を読んでおけば、おろおろしないで、
違うお別れの仕方があったのではないか」
と、思いました。

読んでいると、心が落ち着いてきます。
「あのときの受け答えは、あれでよかったんだ」
「母の気持ちは、そういうことだったのか」。
聞いても答えが返ってこない今、ひとつひとつ、確認し、納得します。
「大丈夫。まぁまぁ、ちゃんとやれたじゃない」
と言ってもらえたような気も。自己満足ですが。

最終章、「愛する人を看取ったあとに」。
「後悔がまったくない死別はない」という言葉に、
普遍的にそういうものなのかと、ほっとします。


「周囲の人が、心配して声をかけてくれたときには、
『大丈夫』と強がったり、平静を装ったりせずに、
思い切って、自分の心のうちを打ち明けた方がよいのです」(p.219)。
ここは素直に、「そうしよう」と、自分に言い聞かせます。
見守ってくれる家族、友達、ありがとう。


この本をきっかけに、終末期医療の推進役であった
エリザベス・キューブラー・ロスの"On Grief and Grieving"をはじめ、
さまざまな死別、悲嘆、死生学関係の本を取り寄せることになりました。
こんなに本が救いになるとは、思いませんでした。

On Grief and Grieving: Finding the Meaning of Grief Through the Five Stages of Loss

こういった本の感想を書くことに、抵抗がなかったわけではありません。
けれど、これがありのままの、今の私です。
書き残しておけば、いつか、誰か、つらい立場の人の検索にかかるかもしれないと、
思い切って、記事にしてみました。


そういえば、こんな記事を書いている人がいたな、
しかも、大丈夫か?というくらい泣いていたなと、
心のどこかに留めておいていただければ、幸いです。

ブログとは、いいことも、悪いことも、人生、日々、
いろいろあるなかでの
心境、気づきを記録していくものだと、
私は捉えています。
自分の弱さ、葛藤も、この場所なら、さらけ出してもいいかな、と思います。
そういう部分も許容してくださるみなさんに、改めて感謝申し上げます。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
                           
                            

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大切な人とお別れする前に読む本2

前回に続いて、「母が元気なうちに読んでおきたかった」
本の紹介です。

あなたの家に帰ろう

本ではなく、冊子なのですが、
母が亡くなってから、お世話になった病院を訪ねたとき、
患者・家族支援コーナーにあるのを見つけました。
上のリンク先から、取り寄せることができます。

がん患者さんの在宅ケアについて、大事なポイントがまとめられています。
具体的なエピソードが満載で、やさしい言葉で書かれています。
知ることで、家族を看取るまでの不安が、和らぐかと思います。

その一方で、読み進めるのが、怖くて、つらくなるかもしれません。
Ignorance is bliss(知らぬが仏)という言葉があるように、
知るか知らずにいるかは、その人の選択、価値観次第です。
ここでお勧めしておきながら、私は知らないほうを選びました。
なんだか矛盾してますね・・・。

この冊子は、在宅ケアに限らず、病院やホスピスで
家族と最後の時間を過ごす人にとっても、参考になる内容です。
せん妄や、亡くなるまでの体の変化についても学べるので、
読んでおくと、心の準備ができるかと思います。
実際に目の当たりにしたときのショックが、少し抑えられるかもしれません。

私は、人の最期を看取った経験も、知識もほとんどなかったので、
免疫がなく、とてもとてもショックでした。

病院ではなく、家で看取ってあげたかったな・・・と
今にして思います。
その覚悟が、ありませんでした・・・お母さん、ごめんね。

最期を迎えるのは、自宅か、病院か、ホスピスか・・・。
こういったものを読んで知識を得ることで、迷ったとき、
判断の手助けになるのではないかと思います。

紹介したパンフレットと共通する内容の記事を、
こちら で見つけました。
これなら、取り寄せなくても、今すぐ読めますね。

物語形式になっていて、読みやすく、わかりやすいです。
読み進めながら、終末期医療、緩和ケアについて、
最低限知っておきたい知識を、自然に得ることができます。


                            

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大切な人とお別れする前に読む本1

今日から、「母が亡くなる前に読んでおきたかった」
という本を、いくつかご紹介します。

出会ったのは、すべて、母が亡くなってから。
図書館をふらふらと歩いていて、たまたま目に入り、購入しました。

できれば、家族がまだ元気なうちに、買っておくといいと思います。
ふだんは、あえて手に取ることはない本ですが、
そういうときのほうが、心理的に読みやすいと思います。

いざ家族が重い病気になり、お別れが近づいてくると、
「最期」についてリサーチしたり、本を読んだりする気力と勇気は、
実際にはないものです。
亡くなってほしくないので、考えること自体、避けてしまいます。
私も、終末期については、インターネットで調べなかったですし、
本も読みません(読めません)でした。

残念ながら病状が進んで、家族の最期が近づいてしまったとき、
ふと本棚を見て、こういう本があると、救いになると思います。
そのとき、気分的に手にとって読めるかどうかは、
その場になってみないと、なんとも言えませんが・・・。

こういったことは、身近な人との死別を経験しないかぎり、
受け身では、誰も教えてくれません。
けれど、とても大切なこと。
だから、自分から知っていくしかないのです。
知らないと、私のように、後悔してしまうかもしれません。

まずは、一番「マイルド」な本から。

おかあさんががんになっちゃった



かわいい、ほのぼのするイラストの漫画ですが、
書かれていることは、ふかーーいです。
がん患者を家族に持つとはどういうことなのか、
終末期医療について、とてもよく描かれています。
すーーっと入って来るので、かなり、おすすめします。

実は、主人公のお母さんが、見た目も性格も、
びっくりするくらい母によく似ています。
なので、涙をぼろぼろ流しながら読みました。
「主人公すずちゃんのように、もっと優しく接すればよかったなぁ・・・」
と、思わず自責の念にかられ、胸が痛くなります。

星を眺めるシーンは、しし座流星群を
母と並んで見たことを思い出します。
布団に寝たまま、部屋からベランダに顔を出して
寒いのでニット帽をかぶって、2時間くらい見てました。
(うー、思いだすだけで、涙が・・・)

漫画は本よりも、よりダイレクトに感情に訴えかけてくるようです。
がん患者本人と支える家族の揺れる心境や、
家族それぞれの対応の違い、気持ちの波のずれ、
ホスピスの様子などが、よくわかります。

私自身、経てきた道のりなので、どの話も共感できます。
「すずちゃん、合コンに行く」というエピソード(汗)や、
母の姉妹や、大勢でお見舞いに来た友人に辟易したり(苦笑)。
「そうだよね、そうそう」と、同じ体験をした方と
話しているような気持ちになります。
すずさんは、マイナス面も含めて、ご自身の心境を
正直に吐露されているので、
心に訴えかけてきます。

患者も、家族も、ともすれば孤独になりがちです。
いろいろなことに、日々葛藤します。
家族にも、家族だからこそ、言えないことがあります。
かといって、誰に打ち明けたらいいのか・・・。
がん、看病といったことは、経験者以外のほとんどの人にとっては、
「非日常」で、「引く」話題でも、あります。

医療者とは立場の違いから話しにくいですし、彼らは忙しすぎます。
患者はサポートグループもありますが、
家族向けのグループは、なかなか見つからず。
(在宅ケアのNPOは見つけました)

mixiでがん患者家族のコミュを見つけて(勝間さんのアドバイス)、
ひっそりと、泣きながら共感していました。
こういう、「とりこぼされた」家族をサポートする仕組み作りが、
必要なんですよね。患者さんのためにも・・・。

つらい気持ちをわかってもらえないとき、
看病がつらくなったとき、別れが怖くなったとき、
この本は友達のようにやさしく話を聴いてくれて、
経験からアドバイスもしてくれます。

お別れの後に読んでも、とても心に染み入ります。
開くと涙がぼろぼろ出てくるので、公共の場には持っていけません・・・。


                    

                        

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ライトピンクテッシノ、ウエストダイヤモンド、リリアン

タイトルの意味、なんのことかわかりますか?

全て、カーネーションの品種名です。

前回のエントリーにも写真を載せましたが、
今まであまりカーネーションをじっくり見なかった私にとって、
今回は新鮮でした。

花びらにほとんどギザギザがなく、一枚一枚、
丸みをおびていて
、なんともかわいいです。
カーブは、まさにソフトコンタクトレンズのよう。
あまり美しい表現ではありませんが、ちょうどそんな感じなのです。

Lightpink2_2

咲き始めなんて、ぷっくりしていて、
ほんとうにかわいくて、うっとりしてしまいます。

名前をお花屋さんで聞きそびれたので、
ネットで調べてみました。
これが、調べれば調べるほど、どれなのかわからなくなってきます。

たぶん、ライトピンクテッシノか、ウエストダイヤモンドか、
リリアンではないかな、と。

こちらには、ピンク系のスプレーカーネーションが
だーーっと載っています。
私が買ったものは、どれなのでしょうか?
(スプレーとは、1本にいくつも花がつくもので、
一輪咲きは、スタンダードといいます)

カーネーションは、色・形もバリエーションが、
思ったよりたくさんあるんですね。


写真がきれいなオランダのサイトを発見しました。
(写真・文字をクリックすると、拡大します)
私は、Super Lavender Tessinoが気になります。 

日本語サイトだと、
こちらには90種類も掲載されています。
(たくさん見すぎて、お腹いっぱい)
「ユニーク色」カテゴリーにあるミルクティ、
実物を見てみたいです。
 

Lightpink1_2

カーネーションは買いやすい価格で、
1-2週間は持つので、優秀なお花だなと見直しました。
母の日だけに取っておくのは、もったいないです。
発色がいいので、他のお花と組み合わせてみるのも、
楽しそうですね。(青山フラワーマーケットみたいに)
                      

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私の母の日

Carnations_2

今日は母の日でしたね。
無事に、穏やかに過ごせてほっとしています。

というのも、先月から、スーパー、デパート、電車の中・・・
どこに出かけても「母の日ギフト」の文字が。
こんなに母の日がつらいとは。
目をそむけたり、「母の日なんて、早く終わって欲しい」
なんて、ひどいことを考える始末。

ところが先週、偶然テレビで
「母の日の由来はいろいろありますが、
アメリカの女性が、亡き母を偲んでカーネーションを献花したのが始まり」
ということを知りました。

調べてみると、

1905年5月9日に亡くなったAnn Marie Reeves Jarvisを追悼しようと、
ウェストバージニア州に住む娘のAnna Maria Reeves Jarvis
フィラデルフィアの教会で母の好きだった白いカーネーションを配った

というのが、アメリカでの母の日の始まりだそうです。

詳しくは、こちら

公衆衛生に尽力した母を偲ぶAnna Maria Reeves Jarvis
(後に、母の日の「商業化」に反対する)について知ることで、

もう母はこの世にはいないけれども、彼女のように、
母を偲んで花をたむけていいんだ、そっか、と思いました。
母の日の本当の由来のおかげで、ざわざわしていた心が、穏やかになりました。

Carnations_3

私の母の日。
そこに母はいないけれど、淡いピンクのカーネーションを捧げました。
なんだか、すぐそばに、母がいるような気がします。
そういえば、今日は泣いてない。
                          
Carnations_1

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遺族の余命は短くなる?

弟から聞いた、気になる話。
友人のお母様が、がん闘病の末に亡くなって、半年後、
すっかり気落ちしたお父様が、旅立たれたそうです。

こんなデータがあります。

国立社会保障・人口問題研究所の算出 (1995年)によると、
例えば40歳男性が配偶者を亡くした場合、
平均余命は、配偶者有りに比べて4年ほど短くなっています。


がんが死因とは限らないですが、
配偶者を亡くしたショックや、生活の大きな変化が
健康に与える影響が大きい、ということでしょう。
(ちなみに、未婚や離別のほうが、実は死別よりも余命が短いです)

イギリスの精神科医Colin Murray Parkesの
(邦題「死別--遺された人たちを支えるために 」)によると、
配偶者と死別した女性は、平均余命が6か月短くなり、
配偶者と死別した男性は1年半短くなるらしいのです。

死別―遺された人たちを支えるために


配偶者を亡くした男性は、死別後半年の間、死別を経験していない男性と比較して、
死亡率が4割上昇するという研究データ
が、
がんナビ・がん患者の家族達へ」で紹介されています。
(だからといって、女性の悲しみが少ないと言いたいわけではありません)

死別の悲しみを癒すアドバイスブック―家族を亡くしたあなたに」でも、
大切な人を亡くしたとき、
遺族は免疫力が下がり、
病気にかかりやすいと書かれています。
ということは、私も?

死別の悲しみを癒すアドバイスブック―家族を亡くしたあなたに

家族みんなの幸せと健康を最期まで祈っていた母は、
私たちが、母が亡くなったことを嘆き悲しみ、
活性酸素が大量に発生して、免疫力が下がり、
最悪の結果、がんなどの病気にかかることは、一番望んでいないはず。

父のことは、母に託されています。
あまり早く父を見送ると、母に怒られてしまいます。
「大事にしなかったの?」と。
大げさに言うと、父の命が、私と弟にかかっているように思います。
そのためにも、私たちが健康で元気でいなければ。


母の苦しみを思うと、どんなことでも耐えられる気がします。
でも、死別の悲しみだけは、どうしようもなく苦しいです。

なんとか健康に生きていきたい。
けれど、「笑って免疫力アップ!」という記述を目にしても、
素直にそうだと思えないときは、どうすればいいのか・・・。
今日も、模索しています。

                                                                  

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きゅうりのサンドイッチ

Sandwich

今日の朝ごはんです。
(食べ過ぎ?)

NHKきょうの料理でやっていた、有元葉子さんの「
きゅうりサンド」。
食べたくてしょうがなくなって、作ってみました。

実際のレシピより、きゅうりが少なすぎたかもしれないです。
(上のリンク先の写真と比べると、差が歴然)
パン4枚に対して、きゅうりを3-4本も使うんですよ。
(今回は、パン6枚、きゅうり3本)

これでもかと、ぎゅーーーっと絞るのが
コツで、
がんばって、絞りましたよ。
種の部分はくり抜いて、有元さんの教えどおり、
オリーブオイルと塩をかけて食べました。

きゅうりのカリカリとした歯ごたえが楽しめて、
何よりも色がきれいで、目にもおいしい。
ちょっとしたことで、朝の気分がいい。

きゅうりを、ただひたすら切っているときは、

そうじのエントリーに書いたような、無心の境地に。

野菜をもくもくと切るのが好きで、
留学しているときも、ストレス解消になっていました。
「無」に、なるんですね。

それにしても、特にきゅうりが好きというわけではないのに、
どうしてそんなに食べたくなったのかな?

そういえば、お母さん、きゅうり好きだったなぁ。
最期まで、きゅうりは食べていたなぁ。
冷蔵庫にも、買いこんでいて、ポテトサラダ・・・って言ってた。

お母さんにも食べさせてあげたかったな、きゅうりのサンドイッチ。
今朝のお供えにして、喜んで食べる母の姿を想像しながら、
静かに朝ごはんをいただきました。
                      
       

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元気じゃない

もう、やめよう。

元気じゃないのに、元気なふりをするのは。
大丈夫じゃないのに、「大丈夫」というのは。
元気じゃないし、大丈夫じゃない。

ある日、何もやる気が起きなくなって、
ただひたすら寝ていた。 
何も、したくなかった。
心と体が、「無理だ」って

母が亡くなってから、あらゆる場面で
元気でいることを求められている気がした。

「がんばって」

励まそうという、その気持ちはありがたい。

でも・・・

がんばるって、何を?
今日この日を生きているだけで
私はがんばっていると思う。

「元気?」

元気なわけ、ないじゃん。

元気じゃないのに、元気なふりをするのは、
とても、とても、エネルギーを消耗する。
「ありがとう」と言った後、
ひどく疲れが押し寄せる。

父が会社の人に
「落ち着いた?」と聞かれるらしい。

父の代わりに言いたい。
「落ち着いたって、何が?」

ずっとそばにいた存在が、
これからもそばにいて欲しかった人がいなくなって、
いったい何が、どう落ち着くというのか?
落ち着くわけがない。
これからも、ずっと。

自分に言ってあげよう。
がんばらなくていい。
元気なふりをしなくていい。
大切な人を亡くして、大丈夫なわけ、ないよね。
無理しなくていいよ。
前向きになろうなんて、焦らないで、
悲しんでいいんだよ。
だって、ほんとうに、悲しいもんね。

自分の気持ちは、他の誰のものでもない、自分のもの。

                               

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