勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan 講演会+サイン会続き
日本の相対的貧困の割合は、15.3%、7軒に1軒です。その原因は、年齢別賃金格差から来ています。日本の世帯年収の平均は、476万円で、これを2で割ると238万円ですね。それ以下がいわゆる貧困世帯です。欧米は、この貧困世帯の割合を10%以下に抑えようという政策をとっています。格差の継承というのは、教育費にあるんですね。貧困のために、教育費が出せない、進学できない。それぞれの能力ではなく、自分の生まれにおいて貧困・格差が生まれてしまう、ということです。
実は、終身雇用制度がすべてのボトルネックではないか、というのが、ここ5年くらいで達した結論です。雇用の流動性がないので、女性が退職しても復職する道が狭かったり、男性正社員重視の施策が継続されがちです。でも、これからもそれでいいのか?ということです。
ポスト資本主義への模索
アメリカ型市場主義、インセンティブ体系が万全でないことは、すでに証明ずみです。サブプライム・ローンの問題がありますよね。ヨーロッパ型を目指すには、リーダーシップが欠如している。これはどういうことかというと、日本の文化的背景になじまないんです。ヨーロッパというのは、クラスが分かれていて、クラスによって、振り分けられています。Noblesse obligeといった精神を、上の階級の人たちは持っています。オランダに住んでいる酒井穣さんに聞いたのですが、企業のトップも、プロテスタント精神に基づいて、人道的立場で意思決定するそうなんです。トップダウンですから、機能するわけです。では、日本型をどこにもっていくのか?これについては、まだ解は見つけてはいません。
Chabo!
Chabo! をやっていますが、なぜ南部スーダンとわざわざ書いているかというと、北部スーダンと内戦状態にあって、全く違う国のようだからです。北部スーダンはアラブ系で、普通に豊かな国、中堅国です。北部が支配してますので、南部にはインフラが整備されないわけです。
どうして教育が必要なのかと言うと、教育することで文字が読めるようになります。文字が読めると車の免許が取れます。運転ができると、タクシードライバーとして、エジプトなどで働くことができます。行こうと思えば、大学にも行けるようになったりします。
まとめ
日本が抱える問題は環境問題に近いです。価値観を転換して、一人一人が、できることを地道にやっていく必要があります。変えていこうという空気を作っていくために、「格差是正はできる人の義務」「男女共同参画が競争力を増す」「社会貢献は自然なこと」といったことを言い続けるしかないですね。でも、続けないといけないわけですから、無理は良くないです。「勝間和代とみんなで日本を変えた」というような本を出せるといいな、と思っています。
質疑応答(の一部です。印象に残ったものをピックアップしました)
質問
勝間さん
まずお聞きしたいのですが、管理職の割合は?(質問された方「圧倒的に、男性が多いですね」)
職場の男女比が5:5なのに、管理職の女性が少ない。これではやる気は出ませんよねー。私は「ベルサッサ」と呼んでいるのですが、管理職が男性ばかりですと、女性は「じゃあ、定時で帰ってお花でも習おうか」となる。女性を意思決定の場に組み入れないといけないんです。女性に対するインセンティブ体系を組み立てるべきです。女性管理職をふやすこと、それが解決法ですね。
質問
勝間さん
英語力をつけるということは、情報を得るためなんですね。日本の情報は、世界の情報が日本に入ってくるときに、スクリーニングがかかっている。たとえば、OECDの資料も、日本語版はあるんですが、抜粋なんです。なので、そういった資料を読もうと思ったら、英語ができないといけない。
日本人の95%は英語に自信がない、というアンケート結果がありまして、この自信がある5%という数字をあげていったほうがいいと思っています。それから、他の言語を学んでいくのがいいのではないかと。
帰国子女でbilingualの場合、高校・大学までの単語力なので、単語レベルが幼いようなんです。知り合いいのbilingualに聞いた話ですが、日経短観が読めないと。大人になるまで日本語力をしっかりつけて、それから英語というほうが、単語レベルという点でいいんじゃないかと思います。
質問
ジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)の順位を、毎年5位ずつ上げる、ということですね。(現在54位)議員の数を増やす、女性管理職の数を増やすことで、順位は上げられると思います。女性管理職については、女性の教育が必要なんです。私は商学部出身で、当時は女子がとても少なかったのですが、今は商学部や経済系の学部に、女子が増えてきているそうなんです。なので、数が増えているために、自然に変わっていくと思います。それから、空気を変えていくことですね。
日本の税負担が高いかどうか、という点については、低いほうだと思います。4割くらいです。私が教育費を上げようと言っているのは、教育にお金をかけると、子供が将来納税者になるので、リターンが高いからです。財源は、直接税ではなく、消費税がいいと思います。所得税ですと、高齢者はもうリタイアしているので。お金持ちのご老人にお金を使っていただこう、というわけです。(会場笑)
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質疑応答は、勝間さんの本領発揮という感じで、毎回楽しみにしているのですが、今回もおもしろかったです。どんな質問がくるかわからないのに、その場で的確に答えられる勝間さん、すばらしいな、と改めて思います。頭を使う時間と質が、圧倒的に違うのでしょうね。私も、なんとかキレのある答えを出せるように(どこで?誰に?)、トレーニングをしていきたいと、刺激を受けました

2番目の質問は、全くその通り!と、自分の守備範囲なので、特に前のめりで聴いてましたね~私は、「英語はOS」だと思っています(どこかで読んだ気がするのですが、どの本かは忘れてしまいました・・・)。
勝間さんにサインをお願いした本、以前書いたように ページを折りすぎたものをお出しすることに


ここまで読んでいただき、ありがとうございます

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