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勝間さん・山田さんの、トークショー前半よりさらにおもしろかった、  質疑応答

前回のエントリーの続きです。後半の質疑応答では、全部で10の質問に答えて頂きました。6番目の質問は、私がお聞きしたものです。長ーいですが、楽しんでもらえるとうれしいです。

(トークショー前半については、こちらをご覧下さい)

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質問1
Y 今回の質問は、回収率8割でした!休憩時間の間、勝間さんと集計していたのですが、いい質問ばかりで。

K まずは、一番多かった質問から。公認会計士をいつ頃めざしたのですか?どうして公認会計士になろうと思ったのですか?

Y 僕は大学で歴史・哲学を勉強したので、一番古文書の読める会計士ですね。お宝鑑定団、みたいな。新卒で、ある会社に就職して、2か月で辞めたのが、1999年です。就職氷河期で、第二新卒もうまくいかない、文学部で歴史を学んだということで、そもそも就職がうまくいかない。もともと歴史をやっていても、ビジネスの世界に興味があったんです。尾張など、養蚕やってるところで経済が発達したのはなぜか、とか。

K 私が会計士を目指したのは、女だから、です。11、10学年違いの姉が二人いるのですが、職がなくて苦労していました。あっても、時給が安いとか。姉達が悩んでいるのを、中学生のころに見て、「手に職をつけないと」と思って。医師、弁護士、教師など、いろいろ調べたんです。そうしたら、会計士一番リスク・リターンがいい。受かる確率、勉強に必要な時間も考えました。会計士の勉強は、だいたい1000時間必要で、弁護士の半分です。1年で受かる人がごろごろいる。それに、会計士になっても、会計監査だけやらなくていい。普通にビジネスやっている人がいる。つぶしがきく、と考えたわけです。たまたま姉のクラブの後輩に会計士がいて、インタビューしたら「会計士はいいよ」と、やっている本人が言っている。どう勉強したらいいかも聞いたら、半年簿記だけ勉強すればいい、と。その通りにしました。偶然を必然にしたわけですね。

質問2
会計士になって、何か価値観は変わりましたか?

Y 「神の視点」を持てるようになりました。小説で三人称には3種類あって、彼・彼女、読者、そして神の視点という客観的なものです。会計は第3者的な客観性を求められるので。

K 私は、セーフティネットができて、リスクが取れるようになった、ということです。会計士として働けば、最後は何とかなるだろう、食べていける、と。中学生ぐらいに、将来働くか働かないかわからないけれど、保険はかけておこう、と思いました。

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質問3
Y 次の質問は静岡の方からです。この春から就職のために上京するそうです。ヤフオクで、なけなしの14万円をすられてしまいました。勝間さん、金融リテラシーの点からアドバイスをお願いします。

K どうしてヤフオクは得なのか?リスクがあるからです。ヤフオクのリスクは数%で、かなり高い。仮にリスクが2%としますと、14万円の2%=2800円。得するのが例えば1000円なら、ヤフオクをすべきではない。なけなしのお金を集中投資してはいけないですね。ヤフオクを使うのは、お金持ちだけであるべきなんですよ。「タダ飯はない」ということです。14万円は授業料だったと思って。実際に私自身がひどい目に遭ったから言えるんですよ。家買って、2000万すったり、車に月6万も払っていたり。保険の失敗もあります。

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質問4
K 次は難しい質問ですよ。お金は大切。でも、お金お金と目の色を変えて騒ぐのはどうかと思います。お金とどう距離を取るべきでしょうか?

Y お金は神様のようなものだと思うんです。形があってないようなもの。時間が経てば、物価が変わるというように、実体はあやふやなもの。神様は見えないから、十字架や仏像を作る、というような。宗教って、コミュニケーションですよね。お金お金、となるのは、神様神様と言っているような、他力本願と同じこと。自分のやるべきことを、自力でまずやることですね。子供にお金のことをどう教えるべきか、については、客観性が大切だと思います。いかに神様、つまりお金、と自分を分離視できるかどうか。思春期・子供の頃に何を読んだかは、その子が大人になったときに影響が大きいですね。中学生の頃の勝間さんがあって、今があるように。

K お金は、ハッピーになるためにあるものだと思います。年収1500万までは、年収が上がるほど幸せ度がアップするんです。1500万円以上になると、幸せ度はたいして増えないんですが。お金によって、人生の機会、できること、行動範囲、チャレンジできることが広がります。ただ、お金を追い求めて自由度が狭まったら、元も子もないですね。長時間労働とか。私は、自由度を増やしたいんです。なるべく働かない中で、自由な時間がなるべく欲しい。だから、効率を求めるんです。自分の子供には教育と、お金を稼ぐ力を与えますが、お金は、私の葬式代以外は残さないようにします。寄付したいと思います。稼ぐ力がなくて、遺産もらっても、悲惨ですよ。使う力だけで、借金グセがつきます。

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質問5
お二人は、期日が迫っていて、やる気が出ないときはどうしますか?

K やる気って、体力だと思います。やる気がないということは、体力がない、精神的に疲れている、ということ。やる気の起きない状況を、事前にコントロールするようにします。早めに寝るとか、締め切りを延ばすとか、今度からその仕事は受けないとか。

Y 僕はトイレ、ですね。トイレットペーパーくらいしかないので。何もない所だと、仕事をするしかないので、やる。パソコンを持ち込んで。電池はわりと長く持つんですよ。それしかない、という環境を作ります。

K 私、ほとんどの本は、飛行機の中で書きました。飛行機は通信がないので、ネットができないから、仕事をせざるを得ないんです。新幹線は、最近イー・モバイルが使えてしまうんですよねー。

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質問6
お二人の著書を読んだ方々が、金融・会計に興味を持って学んだ結果、お二人のようなプロの市場価値が下がってしまう、というような危惧はございませんか?
(私がお聞きした質問です!)

Y いい質問ですねー。僕は、格差のある社会が嫌だ、ということですね。勝ち組がさらに勝ち組になる、というような本は好きじゃない。本によって、格差がなくなればいい。格差のある国に住みたくない。格差がない国が、僕は住みやすいです。

K 紙に言語やフレームワークとして出せるノウハウは、脳内イメージの2割と言われています。出し惜しみをしている、というわけではなく、限界がある。ちなみに、セミナーは6割だそうです。3倍ですね。皆さん、ブログでぜひシェアして下さい。私は知識を広めたい、giveしたい。広めることで、新しい情報がどんどん私に入ってきます。それで、新しいフレームワークが生まれて、私のノウハウが進化する。売上が上がれば、利益が増える、ということで、全く損はないんです。例えば、会計士って日本に2万人いるんですね。私の本を買ってくれた方で将棋の棋士の方がいて、将棋の棋士は全国で150人しかいないそうです。とても、レアですよね。その方と知り合いまして、1時間ほど貴重なお話を聴くことができました。本を書いてgiveしたことが、返ってくる。情報が雪だるま式に増える。この好循環の味を知ると、人に伝えたくてしょうがなくなるんです。

Y 勝間さんの、有名な、give×give・・・giveの5乗ですねー。

K 著者は、前と同じようなことを書いたり、出し惜しみをしたところから、衰退すると思います。優れた著者は、innovationを欠かさないものです。将棋の棋士も同じ。著者は、本を書いて、将棋のように、皆さんと勝負しているんです。

Y 個人、企業、著者、みんな同じですよね。

K Continuous Improvementといって、これは、アーサー・アンダーセンで習ったことです。最初の就職先に染まるので、会社選びは大事ですね。

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質問7
円高、株安、原油の高騰・・・新聞の経済面には負の部分ばかり載っています。一方、お二人の著書には、明るさ、前向きさがあります。個人として、負のスパイラルにどう対応すべきでしょうか?

K 日本が戦後発展したのは、私は「まぐれ」だと思っているんです。地政学的に恵まれていた、たまたまアメリカが守ってくれた、日本人の性質・・・など運が良かった。それが今、農産物といったコモディティが上がってきているのが、日本にとって辛いこと。不運な国になってきている、ということです。それは、一人ひとりが生産性を改善しない限り、解決しない。だから、効率化が必要なんです。

Y (グーグル化の本をちらっと見せて)

K グーグル化の本は、内容から考えて、3万部くらい出ればいいと思っていたんです。こんなに売れたということは、世の中が求めているということです。自己啓発には2種類あって、1.やる気を起こして高めようというもの 2.あなたはそのままでいい、といういわゆる癒し系。最近の傾向は、2から1へ向かっていますね。これはサイクルがあるんです。今はみんな、何かやらないといけないと思っているんですね。

Y 「食い逃げ~」上下巻で、物の見方は一つではない、ということを伝えたかったんです。例えば、日本は資源がない国です。これは、マイナス面。でも、資源がないから、戦争がない。資源があると、侵略されますから。こういう、いい面がある。日本は国防費をもっと減らせると思いますけどね。ドバイはなぜ発展したのかというと、実は、「石油がない」から栄えているんです。20-30年前に国が調べたら、石油が出ないことがわかった。なので、インフラの整備をしたり、Emiratesという航空会社を創ったり、人、物、お金の流れを作ったんです。

K 日本は資源がないということを、giftと考えることです。気候がいいから生産性が高い、人口が多いから今の発展がある、というように。多少悪いことについては乗り切ろう、という考えです。

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質問8
K 25才の方からです。お二人が25才の時には、どんなことを考えていましたか?

Y R25みたいですねー。(笑)僕は会計士2年目で、小説を書き始めた時期です。会計は、仕事をやってみないとわからないんです。わからないものに対して、青春を勉強に捧げるのはどうかと思って。文学部だったことを活かせないか、他に何かできないかと考えて、ちょっと浮気をしてみました。

K 私は、ちょうど銀行に転職したころですね。会計士の新人の時は定時に帰れたのですが、2年目から戦力になって、定時に帰れなくなった。2人目の子供が生まれたばかりでしたし、家が回らなくなったんですよ。定時に帰れる仕事は?と考えて、トレーダーに決めました。計画性はないですね。でも、セレンディピティだったんです。30才を過ぎると、金融は、ミドル、バックオフィスはともかく、フロントは入りにくくなるんです。25才だからできた転職ですね。25才なら、リスクを取ってみることができる。やりたい事をやって、30代に備える、そういう時期だと思います。

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質問9
Y お二人が首相になったと仮定して、やりたいことは何でしょうか? 僕は首相にはなりませんよー。なるとしたら、勝間さんです!(笑)

K 同一職種・同一賃金です。正規雇用と非正規雇用を同じにする。

Y あれは、奴隷制みたいですよね。

K 非正規雇用の方々は、声を大にして政府に文句を言った方がいいです。酷いことをしていいると、会社も自覚すべきです。

Y 僕は、増税をしない、です。世界の流れは増税ですけど。次に本を書くとしたら、税金リテラシーについて書きます。

K 皆さん、源泉徴収票は見たほうがいいですし、サラリーマンも確定申告をすべきだと思います。

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質問10
今後の夢や目標は?

Y いい質問ですねー。僕が「いい質問ですねー」というのは、「あー、ヤベー」と思っているということです。(笑)僕は、その時代、その時代に合った事をやっていこうと思います。未来は予測はできないので。それから、お金や情報の格差のある国に住みたくないですね。そういう国は住みずらいと思います。今年は、テレビの裏方、ブレーンとして、構成作家の仕事をします。

K 私は、寄付金の仕組みを立ち上げたいと思います。現状は、寄付を集めるのにお金がかかるんですね。「寄付スキーム」でできることは何か?と考えまして。印税の一部が出版社から団体に行くような仕組みを立ち上げる、寄付のマークのついた本を販売する、そういった事を考えています。著者も、本を買う人も、相対的に恵まれている人なんです。もっとお金を、必要とされているところに還元したほうがいいと思います。私はしかけを作るのが好きですね。山田さんは、著者ですよねー。みんなの行動が、より楽しい方向に変わっていって、世の中が正しい方向に行けばいいと思っています。もう一つのやりたい事は、今、一番下の子どもが小学校三年生なんですけど、大学生になるまでは、47都道府県ありますし、国内をじっくり旅行してみたいです。webに載っていない情報を集める、つまり、自分メディアです。市役所を訪ねるとか、県知事に会って話をする、とか。統計に載っていないものって、必ずあるはずなんです。子供が大学生になったら、世界に出られるようになりますね。

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トークショーの冒頭、光文社の編集長さんが、「今をときめくお二人です。皆さんの今後の人生に影響を与えるトークショーになるのではないかと思います」というようなことをおっしゃっていたのですが、まさにその通りだと思いました。その通りになるように、自分でこれから行動していけばいいんだ、と思います。今回のトークショーに携わった全ての方々に、感謝いたします。

私がなぜあのような質問(6番目)をしたのかというと、giveの5乗について、頭ではわかっているつもりでも、本当に得をすることになるのか、自分にあてはめて考えてみても、具体的にイメージできなかったからです。情報・知識を提供することで、世の中が底上げされたらどうなる?今持っている知識や資格の価値は下がらないか?と思ったのです。

浅はかでした。自分のことばかり考えて、社会全体を見ていませんでした。私のいるステージのようなものが、まだまだ低いということを意味するな、と思いました。

能力のある、器の大きい人間は、知識を提供することが、自らを脅かすことになるとは考えない。今持っている知識に執着していたら、世の中の変化に対応できない、進歩の無い人間になってしまう。 これからは、Continuous Improvementを大切にします。お二人の、本当に社会を良くしたいという想いが伝わってきて、前向きな気分で会場を後にしました。

勝間さんと山田さんは、お互いの魅力を引き出しあう、素晴らしい組み合わせだと思います。お二人が、どんどん日本中を行脚(!)されたら、喜ぶ方がたくさんいるのではないでしょうか。(大阪で、近くトークショーがあるそうです。また、今回の内容は、3/19の日本経済新聞夕刊に掲載されるとのことです)

お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い   禁じられた数字〈下〉 (光文社新書)

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